三十路♀の人間模様

不器用マイペース女のきままな日常

【3】夏川草介「レッドゾーン」読了

読書:レッドゾーン

タイトル:レッドゾーン

作者:夏川草介

ページ:318ページ

 

あらすじ

2020年ーー。

今となっては懐かしくもなる、世界を変えた感染症が日本にやってきた日。

世界を回った豪華なクルーズ船は、横浜港に係留し、死を待つ方舟と化した。

遠い世界の話だと感じていた皮肉屋の長野県で働く内科医・日進は勤務先が秘密裏にコロナ患者を受け入れる準備を始め、自分も病棟医に選ばれていることを知った。

感想

結構前に読了してしまいましたが、覚えている中で感想を記します。

夏川草介先生が前作で新型コロナウイルスを題材に取り上げた「臨床の砦」と同じ世界観で物語が進むのですが、未知の感染症だった時期のクルーズ船からの入院受け入れ期のお話で、主人公も前作の消化器内科の先生から、小太りの皮肉屋な内科の先生になります。

コロナ禍はお医者さんにとってとてもしんどい現場であったことを前回同様感じることになりました。未知の感染症に対する恐怖、院内だけでなく家族が持つ不安と恐怖。自分の家族が新型コロナの担当になった瞬間に変わる妻の態度…。

 

一番大変であるはずの医療従事者へのそういった視線は嫌なものだなあと感じました。それでも現実はきっと冷たい目線もたくさん向けられてきたのではないかと想像します。その過酷な中でも目の前の患者を救うため挑み続ける医療従事者の方々にフィクションながらも頭が下がる気持ちになりました。

 

昨今はついにマスクも個人判断となってきて、社会が正常を目指す動きが加速しています。しかし個人的には、医療の現場やエッセンシャルワーカーの方々、常に人を診たりお世話をする立場のある人々にとって負担にならないことが第一だなあと思います。