三十路♀の人間模様

不器用マイペース女のきままな日常

5/6 東京都写真美術館来訪記

GWも終盤に差し掛かった昼下がり、私はモダンな雰囲気の恵比寿ガーデンプレイスに赴いた。

 

目的は、東京都写真美術館の企画展「土門拳の古寺巡礼」である。

 

f:id:hiromn:20230508024347j:image

https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-4317.html

 

恵比寿ガーデンプレイスと言えば、花男が有名だが(世代ですね)今も変わらずお洒落な街である。

 

恵比寿ガーデンプレイスの右脇の細い道を、ブルーシールのお店を横目に下って行くと、暗がりに見えて来る入り口が東京都写真美術館である。

 

写真を撮る人間にとって、写真の企画展がよく行われる夢の美術館であるため、これまでも何度か来訪していた。

 

久しぶりに赴いたのだから、全企画展を鑑賞し、一日楽しみ尽くした。

f:id:hiromn:20230508024419j:image

f:id:hiromn:20230508024453j:image

f:id:hiromn:20230508024459j:image

 

 

ここから先は感想となる。

 

メインの「土門拳の古寺巡礼」。

https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-4317.html

御仏の横顔はとても力強く、表情も豊かに何かを訴えるような目線をはらんでいて、美しさの極みであった。大判の写真の数々はとても迫力があり、その隣に書かれている土門先生によるエッセイが時にコミカルで面白く軽やかで、人柄を垣間見たような気がした。

 

土門先生の名前は、奈良出身である私にとってはよく聞く名前なのだが、奈良の人で無かったことや、戦中に撮り続けた人であることにとても驚かされた。

 

奈良の仏様だけでなく、全国の、秘境の地まで赴き、仏様を取り続けていることを初めて知った。京都の三十三間堂の仏様を交響楽団と表現されていた通り、写真からも音楽が聞こえてきそうな煌びやかさと大所帯を感じた。

 

土門先生の生涯は、脳出血を二度も患いながら、脳血栓で亡くなるまで撮り続けるその命を作品から感じるような気がした。

 

 

セレンディピティ

https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-4530.html

数々の写真家による、日常を切り取ったワンシーンが展示されていた。さまざまな企画展に通い詰めていた時期があったため、後半は見覚えのある写真が多かったが、個人的に好きだったのは、最後の展示ブースにある、生後間もない赤子の瞳と、消えゆく命に宿された瞳の光を切り取った作品。この対比がとても強烈だった。

 

問題は深瀬昌久展である。

https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-4274.html

私写真の地位を築いた写真家の作品展示なのだが、全て見た後に残るこの気持ち悪さから、私は嫌いだな!ってなってしまったのだが、深瀬さんが撮り続けた奥さんはとても美しかった。この世代はアラーキー森山大道がいるのだけど、全員嫌いだな!っていう写真を撮るのに酷く美しい写真を撮る人たちで。才能の塊なんだと思うけど、全員人間としては嫌悪感が拭えないというなかなか面白い人たちである。森山大道については講演会見た上で嫌いだな!ってなったし。全員、その表現については尊敬すべき写真家という自覚はある。

(尊敬すべき大写真家様なので、中傷の意味ではなく、写真や人柄から感じた素直な感情なんだけど)

 

全展示、系統が全く違いとても面白く沢山刺激を受けた日になった。また行きたい。