三十路♀の人間模様

不器用マイペース女のきままな日常

5/6 東京都写真美術館来訪記

GWも終盤に差し掛かった昼下がり、私はモダンな雰囲気の恵比寿ガーデンプレイスに赴いた。

 

目的は、東京都写真美術館の企画展「土門拳の古寺巡礼」である。

 

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https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-4317.html

 

恵比寿ガーデンプレイスと言えば、花男が有名だが(世代ですね)今も変わらずお洒落な街である。

 

恵比寿ガーデンプレイスの右脇の細い道を、ブルーシールのお店を横目に下って行くと、暗がりに見えて来る入り口が東京都写真美術館である。

 

写真を撮る人間にとって、写真の企画展がよく行われる夢の美術館であるため、これまでも何度か来訪していた。

 

久しぶりに赴いたのだから、全企画展を鑑賞し、一日楽しみ尽くした。

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ここから先は感想となる。

 

メインの「土門拳の古寺巡礼」。

https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-4317.html

御仏の横顔はとても力強く、表情も豊かに何かを訴えるような目線をはらんでいて、美しさの極みであった。大判の写真の数々はとても迫力があり、その隣に書かれている土門先生によるエッセイが時にコミカルで面白く軽やかで、人柄を垣間見たような気がした。

 

土門先生の名前は、奈良出身である私にとってはよく聞く名前なのだが、奈良の人で無かったことや、戦中に撮り続けた人であることにとても驚かされた。

 

奈良の仏様だけでなく、全国の、秘境の地まで赴き、仏様を取り続けていることを初めて知った。京都の三十三間堂の仏様を交響楽団と表現されていた通り、写真からも音楽が聞こえてきそうな煌びやかさと大所帯を感じた。

 

土門先生の生涯は、脳出血を二度も患いながら、脳血栓で亡くなるまで撮り続けるその命を作品から感じるような気がした。

 

 

セレンディピティ

https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-4530.html

数々の写真家による、日常を切り取ったワンシーンが展示されていた。さまざまな企画展に通い詰めていた時期があったため、後半は見覚えのある写真が多かったが、個人的に好きだったのは、最後の展示ブースにある、生後間もない赤子の瞳と、消えゆく命に宿された瞳の光を切り取った作品。この対比がとても強烈だった。

 

問題は深瀬昌久展である。

https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-4274.html

私写真の地位を築いた写真家の作品展示なのだが、全て見た後に残るこの気持ち悪さから、私は嫌いだな!ってなってしまったのだが、深瀬さんが撮り続けた奥さんはとても美しかった。この世代はアラーキー森山大道がいるのだけど、全員嫌いだな!っていう写真を撮るのに酷く美しい写真を撮る人たちで。才能の塊なんだと思うけど、全員人間としては嫌悪感が拭えないというなかなか面白い人たちである。森山大道については講演会見た上で嫌いだな!ってなったし。全員、その表現については尊敬すべき写真家という自覚はある。

(尊敬すべき大写真家様なので、中傷の意味ではなく、写真や人柄から感じた素直な感情なんだけど)

 

全展示、系統が全く違いとても面白く沢山刺激を受けた日になった。また行きたい。

最近見たアニメ「スキップとローファー」

最近見たアニメ「スキップとローファー」

今期アニメで見てて好きだなぁと思ったアニメが「スキップとローファー」

youtu.be

 

地方の中学から、東京の高偏差値高校に首席入学した岩倉美津未。

完璧な生涯設計を胸にひとり上京してきた神童は、

勉強はできるけれど距離感が独特でちょっとズレてる。

 

だから失敗することもあるけれど、その天然っぷりにクラスメイトたちは

やわらかに感化されて十人十色の個性はいつか重なっていく。

 

知り合って、だんだんわかって、気づけば互いに通じ合う。

誰もが経験する心のもやもや、チリチリした気持ち。

分かり合えるきっかけをくれるのは、かけがえのない友達。

ときどき不協和音スレスレ、だけど

いつの間にかハッピーな、スクールライフ・コメディ!

skip-and-loafer.com

公式HPあらすじより引用

 

高校生なんてもう、10年以上前だし、自分の高校生活とは全く重ならないけど、

このほんわかとした雰囲気がとても好みでとても良いです。

何よりみつみちゃんの天然さに癒されている…

と言うかみつみちゃんを優しく見守る志摩くんにも癒されるというか

緩い雰囲気のこの感じがとてもいい。

地元の親友には自分がいなきゃと思いながらも、

実は親友がいないと心配だと思われていたり、

しっかりしているようで天然でとても可愛い。

見た目の可愛さではない、何だろ、これこそ「かわいい」と形容する、

愛すべき性格のみつみちゃん。

 

そして、とても好きな見どころ、オープニングのアニメーション!

youtu.be

みつみちゃんと志摩くんが軽やかに踊っているのがとても可愛くて、おしゃれで、

なんだかララランドみたいで、キュンとしました。

何度でも見れる。最高。

 

Amazonプライムで、漫画2巻まで無料で読めるし、アニメも見れる。

原作漫画も本当に良くて、癒し過ぎて。

君と僕。とか好きな人間なんだけど、このやわらかさ、いいよね。

 

ぜひ一度ご覧あれ…。

 

自分の強みってなんだろう…

きっかけ

「自分の強みって何だろう」

 

この悩みに直面してはや10年ぐらい経ってるんじゃないかなと思う。

 

悩んだきっかけはどう転んでも「就活」。

 

改めて悩んだ時が「転職」。

 

自己分析をせざるを得なくなった時期に毎回悩んでる。

 

でもプライベートな「強み」と仕事をする上での「強み」って違うもんなのかなとも思い始めている、というか悟り始めている。

 

「強み」の前に「得意」「どんな性格か」

子供の頃は答えられられていた「得意なこと」「どんな性格か」

 

この歳になると好みも変わり、成長し、いい方向に行っているはずなのに、年々答えられなくなっていく「得意」と「性格」。

 

年々ハードルも上がっているんだろうなと思う。

 

色々な人間関係を持つうちに性格さえ、それぞれの人に見せる顔が違うからわからなくなる。

 

そんなもんなんだろうなと思う。

以前の自分が得意だと思っていたこと

  • 写真を撮ること
  • 客観的に見ること
  • 動画を作成すること
  • 空想すること
  • 体育
  • 理科

今の自分が得意だと思うこと

  • 強いていうなら写真を撮ること?

…難しすぎる。

写真を撮ることは今も好きなんだけど、素直に得意と言えなくなったのは、

たくさんのもっと得意な人のことが見えるようになったからなんだと思う。

 

以前の自分の性格

  • のんびりや
  • 好奇心旺盛
  • 一つのことにとことんハマる
  • 緩衝材
  • 楽しく過ごす

今の自分の性格

  • 緩衝材だと思っていた
  • 内向的
  • 優柔不断

思いつかない…

多己分析

自分じゃわからない時は多己分析が良いと聞くので、

かつて行なったことがあるんだけど、

みんな総じて「優しい」しか言わない。

 

「優しい」って、仕事面に昇華する時どうすんの…!?

という疑問が毎回モヤモヤする。

 

結論

色々書いてみて、ぼんやりと輪郭が出てきた「強み」はソフト面では「柔らかさ」ではないかと思う。案外、「性格」を書き出してみると、わかる部分あるんだなと思う。周りから「優しい」とみられていて「緩衝材」のような役割をしていたとしたら、そうなるなぁと思う。

ハード面で言うと、「写真」「カメラ」なのかな…。人が苦手なのに、フォトグラファーになりたいと思う自分がいてジレンマ…。

 

でも結局この分析は自分の目線でしかなくて、難しい…。

 

 

【3】夏川草介「レッドゾーン」読了

読書:レッドゾーン

タイトル:レッドゾーン

作者:夏川草介

ページ:318ページ

 

あらすじ

2020年ーー。

今となっては懐かしくもなる、世界を変えた感染症が日本にやってきた日。

世界を回った豪華なクルーズ船は、横浜港に係留し、死を待つ方舟と化した。

遠い世界の話だと感じていた皮肉屋の長野県で働く内科医・日進は勤務先が秘密裏にコロナ患者を受け入れる準備を始め、自分も病棟医に選ばれていることを知った。

感想

結構前に読了してしまいましたが、覚えている中で感想を記します。

夏川草介先生が前作で新型コロナウイルスを題材に取り上げた「臨床の砦」と同じ世界観で物語が進むのですが、未知の感染症だった時期のクルーズ船からの入院受け入れ期のお話で、主人公も前作の消化器内科の先生から、小太りの皮肉屋な内科の先生になります。

コロナ禍はお医者さんにとってとてもしんどい現場であったことを前回同様感じることになりました。未知の感染症に対する恐怖、院内だけでなく家族が持つ不安と恐怖。自分の家族が新型コロナの担当になった瞬間に変わる妻の態度…。

 

一番大変であるはずの医療従事者へのそういった視線は嫌なものだなあと感じました。それでも現実はきっと冷たい目線もたくさん向けられてきたのではないかと想像します。その過酷な中でも目の前の患者を救うため挑み続ける医療従事者の方々にフィクションながらも頭が下がる気持ちになりました。

 

昨今はついにマスクも個人判断となってきて、社会が正常を目指す動きが加速しています。しかし個人的には、医療の現場やエッセンシャルワーカーの方々、常に人を診たりお世話をする立場のある人々にとって負担にならないことが第一だなあと思います。

 

映画「ちひろさん」鑑賞してきました

映画「ちひろさん」鑑賞してきました

3月4日のお昼前、東京は新宿の新宿武蔵野館にて映画「ちひろさん」を鑑賞してまいりました。

そもそも漫画時代からそれなりに賛否両論な内容だったので、SNSではいろんな意見はありますが、漫画原作は本質面で共感できる部分がありとても好きな作品の一つになっています。あと原作漫画がビレバンでしか手に入らない…なぜ…。

 

あらすじ(?)

映画「ちひろさん」は、安田弘之先生原作の漫画「ちひろさん」を今泉力哉監督によって実写映画化されました。

 

弁当屋さん「のこのこ」の店員さんで元風俗嬢「ちひろさん」と、その周辺の人間模様を描いている作品になります。

 

自由で飄々として、明るいちひろさんですが、時々抱える孤独と闇が垣間見える時があり、それもまた魅力となっています。

 

主人公のちひろさんを有村架純ちゃんが演じており、リリー・フランキーさんや風吹ジュンさんなど著名な俳優さんも多く出演しています。

 

全国のミニシアターなどの映画館のほか、Netflixで見ることができるようです。

 

感想

映画「ちひろさん」はネタバレなしで言うと、原作イメージとは違いながらも、原作に近しいとも言える、良い作品だと個人的には思いました。

 

何よりお弁当屋さんのお母さん役が風吹ジュンさんなのが個人的にはドストライクでした。大好きな女優さんが素敵な役を演じてくれているのがとてもよかったです。

 

地味に要所要所キャストが豪華なのがとても気になるのですが、興行映画館がミニシアター系というのがとても不思議です。Netflixで見れるので、映画館が大きな意味を持つわけではないのかもしれませんが、Netflix加入していないので、武蔵野館に初潜入して参りました。

 

ちなみに、ミニシアターにはちょこちょこ行ったことがあります。目黒シネマとか一時期よく行ってましたし、下高井戸シネマとかもお邪魔したことあります。ミニシアターあるあるとして、あまりシアター内に高低差がないので、なるべく前で見るが吉という…。

 

内容としては、最初は有村架純ちゃんとちひろさんのイメージがあまり結び付かなかったのですが、映画を観た後だと、どこか何考えているかわからないところとか、飄々としているところとか案外うまく演じられていてよかったなと思いました。菜々緒さんのイメージというか、強そうなクールな女性のイメージがやはり原作では若干ありましたが、そういう解釈ではなくても良いなと思えたらありでした。

 

ストーリーに関しては、作品の締め方は個人的にはあまり好きではなかったかもです…が、トータルで考えたら良い作品でした。

 

ちなみに、私が観に行っていた日は、全国館で何やら抽選でグッズが当たる日だったみたいで、当選された方の座席番号貼り出されていました。私は当たらず…ちょっと欲しかったですね…。

 

最後に一つバッドポイントとして、ミニシアターは混みがちなのですが、隣のカップルのお兄さんが靴脱いで見ていて時々足の臭いが漂ってくることと、話す声と食べる音がどうにも気になりまくってました。足の臭いは最後まで付き纏ってきて困りました…。どんまい…。

 

【2】夏川草介「始まりの木」読了

読書:始まりの木

タイトル:始まりの木

作者:夏川草介

ページ:315ページ

 

あらすじ

東々大学文学部の大学院生である主人公の藤崎千佳は、片足を引きずり杖をついて歩く偏屈で変わり者な民俗学者、古屋神寺郎に振り回されながらも彼の研究室で荷物運び兼研究として旅を共にしていく。その中で明らかになる、古屋の過去。そして度々起きる不思議な体験と共に地域に根ざす古い「神様」の存在に触れていく。

 

民俗学の研究は足で積み上げる”

古屋の揺るがない哲学ではあるが、配慮の欠く発言も多く敵を作りやすく、彼に対する評価は実績に批評よりも感情論に終始し、心ない人などは「三本足の古屋」と陰口をいう者もいる…。

 

感想(ネタバレありのため注意)

夏川さんの文章は優しく温かみがあるので、読み進めやすく、読書の入りにとても良い分量と文章だと毎度思います。

 

物語の中で出てくる数々の場所の美しい情景は頭の中で描くことができ、舞台となった場所を巡ってみたいという気持ちが大きくなりました。手始めに、帰省した時に京都は鞍馬に行ってこようと思います。

 

主人公の性格は、あっけらかんとして切り替えの早い明るい女の子。そして、古屋という教授は、地位や名誉にとらわれず研究に没頭する高名な民俗学者。性格ゆえ敵も多く、ファンも多い面白い人物。そして古屋の口調は、これまで読んできた夏川作品に出てきている主人公に共通した話し方をしていて面白い発見をしています。毒気はおそらく古屋の方が強めですが…。

 

人々は古くから神様を祀り、道標としてきましたが、少しずつ失われつつある。それでも、心のどこかにいるどこか目に見えない大きい存在。

 

信ずるべき神はいなくとも、感ずる神様というのはいるなあ、と奈良で育った私は思います。神社やお寺が多くあるのもありますが、目に見えない雰囲気が神様を感じる道標となっていました。

 

不思議な出来事は決して怖い出来事ではなく”神様のお導き”という言葉に似つかわしく、柔らかな暖かい余韻をくれるものが出てきて温かい気持ちになります。

 

”同行二人”の意味を私はこの小説で初めて知りました。

「お遍路はたとえひとり旅であっても、お大師様が寄り添ってくれる二人の旅だという意味だ。仮に五人で旅しても一人一人が弘法大師と一対一という関係は変わりない」

四国霊場とはそういう場所なのだと改めて知ることができました。

 

気になるキーワード

柳田國男 遠野物語 信州随筆

青森・弘前 津島家

岩木山の南麗にある嶽温泉

京都・岩倉 実相院跡

特急「あさま」「しなの」「あしずり」

伊那谷の大柊

高知 宿毛市平田駅 土佐くろしお鉄道終着駅の2つ手前 浜田の泊まり屋

高知 延光寺 観音寺在寺

 

2022年。20代最後の夏。

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お久しぶりです。

 

更新頻度が酷くゆっくりです。

 

モノを書くハードルが上がり過ぎてしまっているせいでしょうか。

 

近況。

 

同居人の幼馴染夫婦に赤ちゃんが誕生して、急きょお祝いに行きました。

 

関東にいる高校時代の後輩が入籍しました。

 

春に、4年半勤めた会社を辞めて新たな会社に入社し、新たな業界に未経験で挑戦中。

 

一か月の勉強漬けで取った資格を自信に変えながら新たな資格の勉強中。

 

前の会社の仲の良い同僚とプチ日帰り旅行したり。

 

関西の友達とはなかなか会えず。

 

姪っ子の成長をインスタで確認しながら会えない日々。

 

睡眠は大事。

 

食生活も大事。

 

ある程度の忙しさと孤独も大事。

 

人と住むと依存しがちになるから気をつける。

 

将来の不安やお金の不安が渦巻く中、去年1年かけてとったFPの資格のおかげで取るに足らない金策を少ししてる。

 

小さな積み重ねで取ったもの、行った結果は、ちゃんと身に付いてるから自分を自分で褒めて良い。

 

音楽も大切に。

 

余裕なけりゃ暫く自分本位で良い。

 

余裕が出たら周りを見られるように。

 

自分に言い聞かせてる。